この記事では、退職後の手続きから失業保険について、一通りの流れや仕組みをご紹介します。
退職にあたり、関わる様々な決まり事や必要書類等はめったにお目にかからないですよね。
実際に、私自身も退職後にテンパっていた経験があります。
流れを知るだけでも、心の持ちようが違いますのでぜひ参考にしてみてください。
退職後に必要な手続きについて
退職後は、思っていた以上にやる事がたくさんあります。
転職するかしないか、置かれている状況によっても違いますので、事前に何をすべきか?を把握するだけで、後々ラクになります。
また、退職ありきでお話をしますが、職場環境によっては辞めにくい環境があると思います。
私自身がそうでした。今はいろんなサービスがありますので、どうしても自分では辞めにくい場合は、「退職代行サービス」を活用しましょう。
健康保険の手続き
まず、保険には3つの種類があり、退職後はいずれかに加入しなければなりません。
未加入・未納の場合は、病院は全額自己負担になります。また、未加入・未納のままでいるとその期間が滞納とみなされ、後日に役所から納付書が届きますのでお気をつけください。
国民健康保険【第一号被保険者】
他の医療保険制度に加入されていない、全ての住民を対象とした医療保険制度です。自営業やフリーター等がほぼこの保険に加入となります。
現住所の市町村区の役所へ行き、手続きをし加入することが可能です。
健康保険任意継続【第二号被保険者】
勤めていた勤務先の健康保険に、個人として継続加入する制度です。
条件として、退職前に被保険者の期間が2ヶ月以上あった場合に、退職後も会社の健康保険に2年加入できます。ただし、退職日から20日以内に申込書の提出を行う必要があります。
家族の健康保険【第三号被保険者】
配偶者・親などが加入している健康保険に、扶養家族として加入できる制度です。
被扶養者の条件を満たしていれば、健康保険に加入している勤務先に申し出て、加入する事が可能です。特に、結婚して退職する場合は、この社会保険に入ることが多いのではないでしょうか。
年金の手続き
年金の手続きも健康保険と同様、変更手続きを行なっていない場合は、未加入・未納と判断されるため、後日に滞納分として納付書がきますのでお気をつけください。
就職しているときは「第二号被保険者」ですが、退職したら「第一号被保険者」になります。
厚生年金から国民年金の切り替え手続きが必要となる場合がありますので、お気をつけください。
- すぐに転職しない場合は、14日以内に自分で国民年金に切り替え手続きが必要
- 配偶者の扶養に入る場合は、配偶者が会社で手続き
- 退職日の翌日に次の会社に入社する場合は、手続きは会社が行うので何もしなくてOK
国民年金(基礎年金)は全国民対象の年金制度です。基礎年金とは別途に、加入している保険によりそれぞれ制度がありますのでご参考まで。
【第一号被保険者】自営業・フリーター
- 付加年金
- 国民年金基金
- 確定拠出年金(個人型)
【第二号被保険者】会社員・公務員
- 厚生年金
- 共済年金
- 確定拠出年金(個人型)
【第三号被保険者】会社員・公務員の被扶養配偶者
- 国民年金(基礎年金のみ)
住民税の手続き
住民税は前年の収入から計算され、1年半遅れで課税徴収されます。
例えば、
【2024年度の場合】
住民税額:2023年1月〜12月の収入から計算
納付期間:2024年6月〜2025年5月にかけて上記12等分した金額を徴収
前年所得を元に徴収されますので、退職時に住民税分の金額は押さえておいた方がいいでしょう。忘れた頃にやってきます。
住民税の支払い方法
退職月によって支払い方法の対応が異なります。
- 1月〜5月退職 → 退職金から一括徴収
- 6月〜12月退職 → 普通徴収
ただし、会社に希望をすれば一括徴収で退職金から払うことも可能(在籍の会社と相談の上)
※普通徴収とは、納付書が自宅に届き自分で支払いをすること
住民税の支払い方法は、「口座振替」「コンビニや金融機関からの窓口納付」「キャッシュレス納付」が可能です。
普通徴収(自主納付)には、納付書が5枚入って届きます。
内4枚は期別ごとの振込用紙、内1枚は1年分を一括振込する用紙です。
年末調整・確定申告の手続き
退職後、12月までに転職先が決まり入社していれば、新しい勤務先で確定申告を行なってくれます。決まっていなければ、自分で確定申告をしなければなりません。
転職した場合は、勤務先が必ず確定申告をしますので、源泉徴収票は提出する必要があります。
どちらにせよ「源泉徴収票」は必要ですので、必ず保存しておいてください。
年末調整を行うことによって、払い過ぎた税金の還付がされます。
年税額と毎月の源泉徴収額を比較し、年税額が少なければ税金の還付、多ければ税金の追加徴収となります。
※年税額とは給与所得−所得税控除額=課税所得金額に税率をかけた額
※源泉徴収額とは、年間の給与+賞与収入額から所得控除を引いて算出された額
ご自身で確定申告を行う場合、確定申告自体は義務ではありません。ただし、払い過ぎた税金は戻りません。
雇用保険(失業保険)の手続き
まず、雇用保険の受給条件は以下の通りです。
- 離職日までの2年間に被保険者期間が通算して12ヶ月(月に11日以上の出勤で認可)
- 倒産や解雇等で失業した場合で、離職日前の1年間に被保険者期間が通算して6ヶ月以上
失業保険の手続きは、受給条件によっては2ヶ月〜3ヶ月の給付なし待機期間がありますので、退職後すぐに申請することをオススメします。
管轄のハローワークへ申請を終えたのち、初回認定日で失業認定がされます。
手当は日額で算出され、失業前の6ヶ月間の給与総額÷180日×給付率(年齢や勤めた年数によって異なる)で決定されます。また支給は4週間(28日)おきです。
メリット
- 転職先をじっくり探す&選ぶ事ができる
- 次の就職先が見つかるまで一定収入がもらえる
雇用保険の受給条件を満たしていれば、給付日数は最低でも90日間受けとれ、生活を安定させながら転職活動を行うことができます。
デメリット
- 雇用保険の加入期間がリセットされる
- 期間が長いと職歴に空白ができる
特に採用担当者によっては空白期間が長く続くとマイナスなイメージを持たれることもあるため、注意が必要です。何ヶ月間も仕事をしていない状態が続くと、働く感覚が鈍る大きなデメリットになる可能性もあります。
最後に
退職後に必要な流れを一通りご説明しました。
まとめると、退職したらやる事が5つあります。
- 健康保険に加入する、切り替える
- 年金を切り替える
- 住民税の対策をする(貯蓄)
- 確定申告・年末調整をする
- 失業保険(雇用保険)の手続きを出す
少しでも参考になれば幸いです。
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